常に一定ではないからこそ、責任もやりがいも大きい。創意工夫で、品質を支える面白さ。
自分が作った製品をお客様に届けたい。
入社後、生産部配属となったのは、面接の時からの希望でした。絵を描くことが好きで、色や印刷に関わる仕事に興味があったことと、自分の作った製品がお客様のところに届くという、とてもやりがいのある仕事だと思っていたからです。所属しているリキッド生産部で生産しているのは主にインクジェットインキで、私はその中でも海外向けのUVインキをメインに扱っています。色の素となる顔料に樹脂や機能性の材料などを加えて製品を仕上げることから、パッケージ詰め、出荷までの一連の業務を担当しており、自分の作業の精度がそのまま品質に影響してしまいます。いかに正確に、そしていかに安全に業務を遂行するか、そしてどう効率的に進めて納期に間に合わせるかといったことを、生産管理の部門とも連携しながら日々心がけています。
女性社員として、初めて生産部に配属。
現在所属の生産部では私が初の女性社員です。ある時、どうしても一人では難しい作業があり、先輩にアドバイスを求めたことがあります。重いものを高い所へ上げる作業だったのですが、高さを変えられる台車を導入してもらい、時間はかかっても一人で作業ができるようになりました。その際に先輩から「あなたにできないことなんて、何一つないんだよ」という言葉をいただき、とても勇気づけられたことを覚えています。今は、なにか問題があったら周囲に相談しながら、自分自身で工夫し解決できるよう心がけており、それがこの仕事の面白さでもあることを改めて実感しています。生産の業務も、状況は常に一定ではありません。技術部門で立案された生産プロセスを実際に現場に導入する際に、予想もしない状況が発生することがあります。例えば、ある工程で酸素が入ることで品質に影響を与えてしまったケースでは、部内で対策を検討し、そこに窒素を加えるプロセスを組み込むことで解決を図りました。他にも、湿度などの気候条件によって品質が変わることもあります。生産の仕事は、常に原因と対策を明らかにしながら品質を保持していくことが求められるので、責任とやりがいにあふれています。
スキルと語学を磨き、いつかは海外へ。
毎日の仕事で心がけているのは、常に平静を保つことと、小さな確認事項も疎かにしないことです。日々の作業の中ではつい気持ちが焦ってしまうこともあるのですが、それが思わぬ失敗を招きかねないということを数々の経験から学んできました。忙しくて大変な時でも、皆で協力し合って乗り越えられた時や、お客様から良い評価をいただいた時の達成感は他に代え難いものです。自分の心が製品の品質にそのまま現れてしまうということを忘れずに、まずは目の前の仕事を着実にこなせるようになりたい。その上で、ゆくゆく叶えていきたい目標が二つあります。一つは、もっと知識を磨いて、色のスペシャリストになりたい。例えば同じ赤色でも、ベテランの検査部門の人は、機械でも認識できないレベルの違いまで区別できたりします。原料の生産時期などによっても微妙な色の違いが生まれるという奥深い世界ですが、私も生産に携わる者として、そういう眼を持つことを目標にしています。もう一つは、海外の生産現場で働くこと。今私が作っている製品は、中国やロシアの大きな掲示物で使われているそうです。いつかそれを自分の目でも見てみたいですし、当社の生産拠点は世界各地にあるので、海外でインクジェットインキの生産に関わりながら、人に教えられるような立場になりたいです。今はその夢を叶えるために毎週、中国語の語学教室に通っています。いつか結婚して子どもが生まれても、この仕事に誇りを持って続けていきたいです。