太陽電池にブレイクスルーを。シーズとニーズを結びつける。
基礎研究から製品化まで。技術者としての視野を広げる。
入社後、現在の部署の前身である高分子技術統括部に配属になりました。接着剤関連製品と太陽電池用部材の新規開発に一年間従事し、太陽電池の技術をさらに積み上げるというミッションのもと、R&D本部に異動となりました。製品化に必要となるレベルまで基礎研究を重ねるとともに、付加価値を高めるにはどうするべきかを考えたり、営業と協働してお客様のもとに出向き、どのような性能が求められているかをヒアリングしました。研究開発だけに専念しているとどうしても開発側の視点に偏りがちですが、お客様からの生の声を伺えたことで、自分達の技術的なシーズと市場のニーズを掛け合わせていくという視点を学ぶことができました。そして3年前に現在の樹脂技術部に再び配属となってから、開発品が本格的に採用され今度は生産立ち上げのステージに移りました。生産の現場についてはまだまだ知識が不足しているので、上司や同僚に支えられながらではありますが、品質管理や製品改良をどう行っていくかなどの課題に挑戦しています。
発明することの、やりがいと面白さ。
研究所に在籍していた時に一番印象に残っているのは、部材に使うポリマーの基礎開発において、ある画期的な発明にたどり着けたことです。化学の分野だとわずかな化学構造の違いが劇的な性能の変化につながることがあるのですが、その変化を自分で生み出して、発明につなげることができました。それによって製品の性能が10倍にまで向上したので、大きなブレイクスルーになったと思います。何度も壁にぶつかりながら様々な人と議論を重ね、遂に性能の向上を達成できた時は本当に感激しました。その部材は現在では毎月数tというスケールで生産・出荷され、世の中で自分の関わった製品が使われる喜びを実感しています。私はもともと自分で新しく何かを生み出したいという想いがありました。そこで、ポリマーや顔料といった素材から開発している当社はそのような想いが叶えられると思ったのが主な志望動機です。製品化に至るまでは製品自体の安定性や市場における信頼性など様々な要因が関わってくるので簡単にはいかない部分もありましたが、そういった視点も身に付けながら志望時の想いを実現することができたと感じています。
全ての経験が財産に。これからも新たな製品を創っていきたい。
太陽電池の開発においても、先端分野に関われているという点でやりがいを感じています。現在の太陽電池市場は非常に活気があり、お客様からの要望も高いものになってきています。例えば、発電効率を高めながらいかにコストを抑えるかということは大きな課題の一つなのですが、それに対して当社の顔料分散技術も活かして光の制御を提案した製品が採用に近いところまできています。これは当社の技術的な強みが大きく活かされているところで、このような改良提案においても、研究所での経験が大いに役立っています。振り返ってみると、入社後に経験したことの全てが財産になっていて、そうした積み重ねが、企業の研究者にとって大切だということに気づきました。今後は、引き続き太陽電池の市場を製品の力で広げていくとともに、その技術を別の分野に応用して、また一から新しい製品を開発するプロセスにも関わりたいです。これからも日々の積み重ねを活かしながら、多くの製品を生み出していきたいですね。