開発概要

Sciforiem® PL 1000シリーズは当社が創業以来培った、インキをはじめとする様々な化学製品技術を応用し、開発したバイオメディカル向け機能性ポリマーです。 Sciforiem® PL 1000シリーズは、抗原ー抗体反応を利用しターゲット物質を検出する体外診断薬分野で優れた効果を発揮します。

検出に用いられる基材にコーティングしたり、抗体希釈液に添加することで、ターゲット物質の非特異吸着を抑制したり、検出感度を高める、タンパク質の構造を安定化するなどの効果を発揮します。

この機能を活かして、体外診断薬用ブロッキング剤やタンパク質安定化剤の他、生体分子を取り扱う研究分野の試薬として、また、バイオ医薬品の製造工程や保存工程など多様な用途での利用が可能です。

ブロッキング剤、タンパク安定化剤等としてのイムノアッセイ系での使用

ブロッキング剤、タンパク安定化剤等としてのイムノアッセイ系での使用

Sciforiem® PLシリーズの外観

用途例① ブロッキング剤

  • ELISA法やイムノクロマト法をはじめとする様々な免疫アッセイ系における抗原-抗体反応において、バックグラウンドを低減させるためのブロッキング剤として用いることが可能です。
  • プラスチック(ポリスチレンやシクロオレフィンなど)や無機材料(金コロイド、磁性粒子など)の表面に対する、抗原や抗体の非特異吸着を抑制します。
基材:ポリスチレン製ウェルプレート
使用抗体:HRP標識抗体

用途例② 抗原-抗体反応の増感剤

  • 抗原-抗体反応系における増感効果があり、感度不足を改善することが可能です。
  • 低い抗原濃度でも検出が可能であるため、早期診断や検出精度向上が期待できます。

[ 抗体液への添加による増感効果 ]

ポリスチレン製ウェルプレートに捕捉用抗体をコートし、 BSAまたはSciforiem® PL 1000シリーズでブロッキング処理した後、 抗原と検出用抗体を順に結合させました。反応曲線の傾きが大きいほど、抗原-抗体反応の感度が高いことを示します。

抗原:ヒト血清由来アルブミン
捕捉用抗体:ヤギ由来抗ヒトアルブミン抗体
検出用抗体:ヤギ由来抗ヒトアルブミンHRP標識抗体

用途例③ タンパク質安定化剤

  • タンパク質の高次構造を維持し、25~40℃保管においてもHRP活性を保持します。
  • タンパク質の凝集を防ぎ、安定性を向上させるための添加剤として、バイオ医薬品(酵素、成長ホルモン、抗体等)分野への展開が期待できます。

[ 抗体希釈液への添加によるタンパク質の安定化効果 ]

抗体希釈液にBSAあるいはSciforiem® PL 1000シリーズを添加し、所定温度で静置保管した後、 HRPの残存活性率を吸光度から算出しました。残存活性率が高いほど、タンパク質安定化効果が高いことを示します。

使用抗体:HRP標識抗体
残存活性:初期値を100とした場合の吸光度の経時変化

技術概要:安定したポリマー設計・製造技術×ポリマーの親-疎水性制御技術

Sciforiem® PL 1000シリーズには、当社が様々な化学製品の開発を通じて構築したポリマー技術が応用されています。

安定したポリマー設計・製造技術

当社は、長年培ったポリマーの設計・製造技術により、品質要求レベルの高いエレクトロニクスやメディカル市場において、安定した品質のポリマーを提供しています。

体外診断薬等に合成ポリマーを用いることで、生物由来原料特有の問題である品質のばらつきがなく、診断結果の再現性の向上に貢献できます。

ポリマーの親-疎水性制御技術

生体分子の非特異吸着を防止する親水性ユニットと、プラスチックなどの 疎水性基材に対して物理的に吸着する疎水性ユニットを、当社独自の設計思想で組み合わせています。水およびアルコール、DMSOに対して可溶であり、極性の異なる様々な基材に対してコーティングすることも可能なポリマー材料です。

  1. ブロッキング効果
  2. 抗原-抗体反応の増感効果
  3. タンパク質安定化効果

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