トップコミットメント

社会の長期的な変化に対応し、課題解決に向けて挑戦を繰り返す

真のサイエンス・カンパニーとして社会課題解決に取り組む

私たちを取り巻く環境はかつてないほど多様で複雑になっており、中でも世界が直面している長期的な変化は、人口増加と第二の情報革命といわれるデジタルトランスフォーメーションであると考えています。

世界の人口は1日で22万人も増えており、2055年には100億人に達するといわれています。人口の増加とそれに伴う資源の消費と廃棄の増大、環境破壊の加速などが環境面の課題として認識され、また、貧困や飢餓、不平等に苦しむ人々が存在し、人類の持続可能性に警鐘が鳴らされています。そのような中、人類共通のアジェンダとして「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択され、ビジネスセクターの貢献も求められています。

一方、AIやIoT、ブロックチェーンといった技術がもたらすデジタルトランスフォーメーションは、社会課題解決に資する手段として有望視されていますが、既存の社会構造や人間存在の再構築を人類に提示しています。

こうした長期レンジでの変化は、生活者を最終のお客様として考えている私たちにとっては、使命として取り組むべき課題であり、真のサイエンス・カンパニーを掲げている私たちが、成長するとともに信頼を支える企業基盤を築く機会として、能動的にこれらをとらえるべきだと考えています。

私たちは、創業200年となる2096年、さらにその先の「サステナブルグロース(持続的な成長)」に向けて長期構想「Scientific Innovation Chain 2027(SIC27)」を定め、2027年までの期間を通じて、100年レンジでの持続的な成長が可能な企業体質への変革に取り組んでいます。そのために、経営理念の「生活文化創造企業」の対象を生活者から生命や地球環境にまで拡げ、また、事業活動と関わりの深いSDGsの目標を明確にした上で、課題解決の方向性としてライフ、コミュニケーション、サステナビリティの3つのサイエンス分野でくくられた11のドメインを掲げました。

既に、独自のデジタル技術を用いた非光学式行動検知システム「Fichvita®」の実証実験などの取り組みを開始していますが、引き続き、これらの事業領域で戦略的にビジネスを構築することにより、社会への新たな価値提供を目指していきます。

図:東洋インキグループの事業活動と関わりの深いSDGsの12の目標/3. すべての人に健康と福祉を/4. 質の高い教育をみんなに/5. ジェンダー平等を実現しよう/6. 安全な水とトイレを世界中に/7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに/8. 働きがいも経済成長も/9. 産業と技術革新の基盤をつくろう/10. 人や国の不平等をなくそう/12. つくる責任つかう責任/13. 気候変動に具体的な対策を/15. 陸の豊かさも守ろう/16. 平和と公正をすべての人に

経営との連動を図りCSR活動をより一層推進する

CSR活動については、ステークホルダーとのダイアログを繰り返しながら、社会課題の解決により成長を図る重要課題、持続可能性を支える重要課題、そして信頼を支える堅実な企業基盤を築く重要課題の、合わせて5つを策定しました。また、それぞれの重要課題とSDGsの目標との関連を明確にし、長期構想とその最初の中期経営計画「SIC-Ⅰ」の1年目である2018年度に活動を開始しました。「実行項目」「ありたい姿」や2018年度の実績などをもとに、重要課題ごとのKPIや2020年度目標を明確にしましたが、引き続き、より実効性のあるKPIとマネジメント体制の検討などを行い、中期経営計画と同様、3年間の単位でPDCAを回して経営戦略との連動を図りながらCSR活動を推進していきます。

なお、2018年度のCSR報告書と環境報告書は、これまでの優良賞を上回る「第22回環境コミュニケーション大賞」の優秀賞を受賞しました。2019年度は、東洋インキグループのCSR活動を多くの方にご理解していただくために、CSR活動の主な活動をまとめた冊子と、それを補足する「CSR活動報告・データ2019」を発行し、環境活動の詳細はそちらに記載しました。

図:CSRの5つの重要課題とサステナブルグロース/サステナブルグロースの実現/成長/1. お客様の期待を超える価値を提供し、社会に貢献する/2. 革新的技術を通じて環境と共生する/持続可能性/3. サプライチェーンと共存共栄を図り、ステークホルダーの信頼に応える/4. 社員を大切にし、幸せや働きがいを追求する/5. 信頼を支える堅実な企業基板を築く

挑戦を繰り返し「For a Vibrant World」の実現を目指して

2018年度は「新会計年度スタートの年 SIC27の実現に向けて力強い一歩を踏み出そう」というスローガンのもと、長期構想と中期経営計画「SIC-Ⅰ」をスタートしました。新案件の拡販や新領域への着手は進んだものの、事業環境の悪化から増収減益となりました。この結果をもとに、私たちは、今までのやり方の延長ではなく、長期構想や中期経営計画を見つめ直し、CSRの重要課題をグループ全体で共有して、具体的な行動変革を加速していくことの重要性を再確認しました。

2019年度、新たなスローガンとして「SIC27実現に向け、事業の構造改革と企業体質の変換にグループ全体で取り組み、真のサイエンス・カンパニーとして飛躍していこう」を掲げています。①市場や顧客ニーズの変化をとらえた新たな事業展開と価値提供、②モノづくり企業として、国内外各拠点のサプライチェーン、製品構成、製法・処方を根本から見直し、技術優位で市場を主導、③変化をいとわず、挑戦を促す風土・人事制度の刷新と業務改革、の3つを基本方針として、SIC27の2年目、挑戦を繰り返す中計SIC-Ⅰの折り返しの年として活動に取り組みます。

そして、グループの強みを生かし、また、必要なパートナーシップのもと、長期構想やCSRの重要課題を通して社会課題解決に向けた価値提供を行い、東洋インキグループの提供価値である“For a Vibrant World”の実現を目指すとともに、社会からの信頼に応えていきます。

(CSR報告書2019より)