トップコミットメント

長期に持続可能な経営の実践を目指す

東洋インキグループと社会のサステナブルグロース(持続的成長)に向けて

東洋インキグループは、これまでの20年で「TAKE OFF 2007」「SCC2017」という二度の長期構想を掲げてきました。長期構想によって10年先を見通し、目指すべき姿を全員で共有してきたことで、短期的な出来事に惑わされず、また、リーマンショックや東日本大震災などの大きな外的要因も乗り越えて成長することができました。

次の10年の新たな「あるべき姿」については、2年間かけてグループ全体で討議を行い、その集大成として、2027年に向けた企業活動のコンセプトである長期構想「Scientific Innovation Chain 2027(SIC27)」を定めました。SIC27において、創業200周年に向けて長期に持続可能な経営を実践することが、現代社会における責任であるとの認識に至り、経営哲学、経営理念、行動指針のもと、日々のマネジメント規範という位置付けとして「サステナブルグロース(持続的成長)」というコンセプトを打ち出しました。

SIC27では、東洋インキグループが創業200周年に向かって持続的に成長していくための仕組みを創り上げます。具体的には、モノづくり会社として地産地消により地域ごとに最適な製品を提供しグローバルで連携を図るとともに、確保した利益をお客様・社員・社会・株主の皆様にどのような形で還元していくべきかを考える、高齢化や就労人口の減少などが顕在する環境下、あるべき事業継続体制やバリューチェーンへとフレキシブルに体制を変えていく、そして企業としての長期的な発展を究極目標として、経営の根幹事項の変革に取り組みます。

2018年1月から始まったSIC27の最初の中期経営計画「SIC-Ⅰ」(2018年度~ 2020年度)では、2020年度に売上高3,500億円、営業利益280億円を目標としました。印刷インキなどの既存事業では付加価値製品へのシフトや海外展開を加速します。新事業では、パッケージ、モビリティ、メディカル・ヘルスケア、IoT、天然素材、エネルギーの6つを注力すべきドメインと位置付け、将来的にはセンシングデータビジネスや生活余熱を利用するエネルギーの循環利用ソリューションビジネスなど、これまでの素材メーカーの枠にとどまらない事業の展開を進めます。

図:理念体系と長期構想、中期経営計画との関係
図:CSRの5つの重要課題とサステナブルグロース

事業活動を通じた生活者・生命・地球環境の課題解決に貢献

私たちは、経営理念に「生活文化創造企業」を掲げ活動を行ってきましたが、SIC27では対象を「生活者」から「生命」や「地球環境」にも拡げ、社会・生活者課題の解決に能動的に取り組むことで、すべての対象がいきいきと共生する世界の実現に貢献していきたいと考えています。

そのためには、生活者・生命・地球環境の視点で私たちが取り組むべき課題を明確にすることが必要であると考え、2016年度から東洋インキグループのCSR活動の重要課題(マテリアリティ)の検討を進め、5つの重要課題を策定しました。

今後は、SIC27と同様に中期経営計画や年度経営計画の中に落とし込み、各部門で目標やKPIを策定して、中期経営計画と同様に3年間の単位でPDCAサイクルを回して、 CSR活動を推進します。

これまでのCSR報告書では、社会的責任に関する規格である「ISO 26000」の中核主題に基づいてCSR活動を分類して記載しましたが、この「CSR報告書2018」では、策定した5つの重要課題ごとに、その背景と東洋インキグループの考え方、そして「実行項目」と「ありたい姿」を明確にして、これまでの活動を報告しました。特に、モノづくり企業として私たちが一番重要と考える重要課題「お客様の期待を超える価値を提供し、社会に貢献する」では、バイオマス製品、リチウムイオン電池、イメージセンサーの展開について報告しています。また、「パリ協定」の発効など、企業の環境への取り組みの重要性に鑑み、環境報告については、新たにPDF版の「環境報告書」を作成し、さらなる内容の充実を図り、ウェブサイトに掲載しました。

持続可能な開発目標(SDGs)では、2030年までに貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動が呼びかけられています。私たちのCSR活動の重要課題も、SDGsの目標を強く意識して策定しました。SDGs達成には、人と人、組織と組織、国と国との連携が不可欠であると考えています。SIC27の「Chain」に込められた想いも、世界中の仲間との連鎖、そして「時間」の連鎖です。私たちは、一人ひとりの行動の連鎖によって、長期構想とCSRの重要課題の実現に取り組みます。