健康経営
東洋インキグループは、経営哲学「人間尊重の経営」に基づき、社員一人ひとりは会社の財産であり、その人的資源が最大限に活躍できる環境を整備していくことが重要だと考えています。そのために、健康増進、疾病予防、メンタルヘルスケアなど、社員の健康のための取り組みを通じて「社員が健康に働くための職場環境整備」を推進しています。
東洋インキグループでは、2009年に健康5ヵ年計画を策定し、「健康管理基本方針」を策定しました。これを、健康経営の観点で組織体制や社内外への発信を強化し、進化させたのが「健康経営基本方針・宣言」です。
東洋インキグループ 健康経営基本方針・宣言
東洋インキグループの持続的成長を力強く推進するためには、会社の財産である社員が心身ともに健全で、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる仕組みと職場環境の整備が不可欠です。そのために、経営・職場・社員個人の各ステージにおいて、健康への認識を共有し適切な諸施策を実行することで、グループ全社としての健康経営を実現いたします。加えてメディカル・ヘルスケア事業をグループの基幹事業の一つとして推進・展開することで、あらゆる人々の健やかな暮らしに貢献してまいります。
- 私たちは、健康経営の実践として、社内コミュニケーションの質の向上や、社員が健康に働くための環境整備に取り組みます。
- 私たちは、自身の能力を十分に発揮するには健康が基本であることを自覚し、主体的に健康増進・疾病予防に取り組みます。
- 私たちは、地域社会の一員として家族も含めた心と身体の健康づくりに積極的に参加し、その輪を広げるように努めます。
- 私たちは、生活文化創造の担い手として、メディカル・ヘルスケア事業を通じて、社会のあらゆる人々の健やかな暮らしに貢献します。
健康経営推進組織
東洋インキグループの健康経営は、以下の体制によって組織的に推進されています。

健康経営戦略マップ
東洋インキグループでは、健康経営を通じて解決したい課題について、以下の施策を行いPDCAを回していきます。

健康経営投資額
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|
103百万円 | 101百万円 | 125百万円※ |
※ 用途:健康診断・予防接種(74百万円)、社内診療所運営(47百万円)、睡眠改善施策(1.7百万円)、ウォーキングイベント等の健康施策への投資額
健康経営目標値
目指す健康経営の姿に対して以下の具体的な指標と目標値を設定し、客観的な評価分析とPDCAサイクルを意識して健康経営推進活動に取り組んでいます。
個人を特定できない状態にしたデータで要因の分析を実施したところ、新型コロナウイルス感染症流行による生活習慣変化により飲酒頻度が減少し、「脂質リスク」が経年で改善傾向であることがわかりました。
また、肥満・高血圧リスクは改善傾向ですが、統計値に満たない水準の項目もあり、糖尿病リスクは緩やかに上昇していることがわかりました。
今後、各リスクの原因究明を継続的に行い、解決のための健康施策を展開していきます。
指標 | 2020年実績 | 2021年実績 | 目標値 | 統計値 (日本国内) |
||
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 2030年 | |||||
生活習慣病 | 肥満リスク BMI25以上の割合 |
29.0% | 27.8% | 22.3% | 21.3% | 26.3%※1 |
高血圧リスク 最高血圧140mmHg以上または最低血圧90mmHg以上の割合 |
12.4% | 11.1% | 10.1% | 9.7% | 17.9%※2 | |
糖尿病リスク 空腹時血糖110mg/dL以上またはHbA1c6.0%以上の割合 |
10.9% | 11.3% | 9.5% | 9.1% | 12.1%※2 | |
脂質リスク 中性脂肪200mg/dL以上、HDL39mg/dL以下または120mg/dL以上、LDL140mg/dL以上のいずれかの割合 |
33.0% | 30.8% | 35.0% | 31.0% | 33.3%※2 | |
家族(35歳以上被扶養者) 特定検診受診率 |
77.3% | 81.2% | 88.0% | 95.0% | 43.1%※3 | |
がん | 婦人科(乳がん、子宮がん)検診受診率 | 77.4% | 79.5% | 80.0% | 82.5% | 乳がん:47.4% 子宮がん:43.7%※4 |
ワークライフバランス | 有給休暇の年間平均取得日数 | 11.0日 | 11.5日 | 13.0日 | 14.0日 | 11.3日※5 |
※ 目標設定以後、①定年延長による社員の平均年齢の上昇、②新型コロナウイルス感染症流行による生活習慣の大幅な変化が起こったため、現状に即した目標値への変更と施策の展開を予定しています。
※1 厚生労働省平成30年度国民健康・栄養調査
※2 厚生労働省令和2年度定期健康診断結果報告
※3 厚生労働省2020年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について【概要】
※4 厚生労働省令和元年度国民健康生活基礎調査の概況
※5 厚生労働省令和3年就労条件総合調査の概況
その他健康情報
病気の早期発見、治療のため、毎年実施している定期健康診断は法定で定められた項目よりも充実した検査を実施しています。
定期健康診断は毎年受診率100%となっており、定期健診後の精密検査受診率は2021年度は90.6%でした。
また、社内で施策を展開したり、福利厚生制度での補助項目となっている「睡眠」、「喫煙」、「運動習慣」については、2021年度は睡眠状態が良い割合が59.6%、喫煙率は26.9%、定期的な運動習慣がある割合は28.3%でした。
事業所単位では同単位で発行される健康診断結果レポートについて、拠点毎に健康推進者を定め事業所の健康状態や働き方にあった施策を実施しています。
2020年度は年間10件だった拠点内健康施策の件数が、2021年度では24件になっています。
メンタルヘルスについては、50人未満の事業所も含めたストレスチェックを実施しており、2021年度の受検率は93%でした。
これと並行して新たに入社した社員に向けてはセルフマネジメントのEラーニング(セルフケア学習)も提供しており、2021年度の受講率は98%でした。
このような施策以外にも、社内相談員による新入社員面談やラインケア等の実施、産業保健スタッフによる健康面談、健保組合が設ける事業場外の相談先など、複数の相談窓口を設けています。
ワークライフバランスについては、有給休暇取得日数以外にも「平均残業時間低減」、多様な生活に併せて利用可能な「選択型福利厚生制度利用率向上」、「男性の育休取得率向上」にも注力しています。
2021年度は、平均残業時間:7.6時間、選択型福利厚生制度利用率:71.5%、男性の育児休業取得率:48.1%となっています。
健康に関する社内サーベイ結果
健康、プレゼンティーズム、エンゲージメントの現状把握・関係解明を目的に2022年度から社員アンケートを行っています。
指標 | 2022年度結果 |
---|---|
プレゼンティーズムによる生産性阻害割合※1 | 11.7 |
プレゼンティーズムの具体的内容※2 | 上位3テーマを抜粋※2 1. 睡眠課題(16.1%) 2. 腰痛(12.3%) 3. 肩こり(11.3%) |
ワークエンゲージメントが高い社員の割合※3 | 63.7% |
健康施策の社員満足度が高い割合※4 | 87.6% |
※1 何らかの疾病や症状を抱えながら出勤し、業務遂行能力や生産性が低下している状態。WHO-HPQの設問をベースに、健康課題による生産性低下が占める割合を独自で確認した結果の合成指標により算出
※2 社内アンケート回答者に占める具体的事由の割合
※3 社内アンケート内の以下3指標を基に算出(ポジティブ回答割合)。「知人等に自社を勧めたいですか(52.3%)」、「モチベーション高く仕事をしているか(68.7%)」、「仕事の満足度(69.9%)」
※4 自身の睡眠をモニタリングして改善活動を行う睡眠デザインプログラムの満足度。2022年度は120名が参加