羽獅子マークについて

東洋インキグループのシンボルマーク「羽獅子マーク」は、1902年(明治35年)11月14日に商標第18292号として登録されました。
東洋インキグループの創業者であり、グループの前身であった小林商店の店主小林鎌太郎は、当事の日本が獅子奮迅の気迫で国力を強化していた時代背景の中、新鋭設備の導入を機に「当社の印刷インキが世界に通用する品質となり、社が力強く世界に飛躍する」ことを祈念して、翼を生やしたライオンが地球を抱いている図像「羽獅子マーク」を考案、社製の印刷インキに貼付するラベルに描きました。

さらに1907年(明治40年)1月、東洋インキ製造株式会社が設立されると、この羽獅子マークは社標に制定されるとともに、商標としても継続して使われていくことになりました。その後、印刷インキ以外の製品にも使用するために、マーク周囲の二重円を削除した図像に変更、再登録されました(1911年6月10日登録商標第46632、191524号)。

戦中戦後を通じて、この羽獅子マークは、さまざまなバリエーションが作成されたと記録にはあります。さらに、羽獅子マークとは異なる新たなマークも作成され、社標として定着させようという試みも行われました。しかし、これらはいずれも定着せず、唯一、羽獅子マークだけが社標として、また商標として一貫して使用されてきました。
1956年(昭和31年)、高度成長期という新たな時代の流れに合わせて、羽獅子マークのデザイン修整が図られることになりました。元のデザインを尊重しつつも、スマートな躯体と柔和な表情に修整し、現在の「新羽獅子マーク」が作られました(1957年4月9日登録商標第499619号)。

日本で企業CIが流行した1980年代には、多くの企業がカラフルで描きやすい図形を新しい企業マークに採用するケースが見られました。そのような中で、単色で複雑な図像の羽獅子マークは「古臭い、良くないマークの見本」と評されたこともありましたが、既に印刷業界で優れた品質の印刷インキのブランドマークとして十分に浸透していたことや、長年社標として用いられてきたことで社員一同が深い愛着を持っていたことから、流行におもねることなく使い続けていくことを確かめ合いました。

このように、東洋インキグループ=羽獅子マークが定着していく中で、これをベースとした製品名や会社名も誕生しました。有機顔料「リオノール」(1938年3月9日登録商標第299152号)やオフセット輪転インキ「レオエコー」(1999年1月14日登録商標第4230489号)、カーボンナノチューブ素材「Lionanoc」(2014年8月1日登録商標第5689822号)、米国LioChem社(1988年設立)などはみな、羽獅子の原型であるライオン(Lion、Leo)に由来しています。
さらに、会社設立100周年を迎えた2007年(平成19年)には、羽獅子マークの輪郭を抽象化した「100周年記念ロゴ」も作成され、過去から未来へと連綿と続いていく企業グループの姿を表現しました。
また、1990年(平成2年)ごろから、羽獅子マークをデフォルメしたオリジナルキャラクター「リオちゃん」が、社内報などの社員向け印刷物やノベルティグッズなどに登場するようになりました。

2011年(平成23年)、ホールディング制への移行を機に、グループのCI改革が行われました。その中で、羽獅子マークは「東洋インキグループのブランドを視覚的に表現する最上位の図像」として位置付けられ、グループの組織、理念、企業姿勢、優れた技術や品質を象徴するマークとして、そのデザインや使い方が改めて定義されました。
これからも、私たち東洋インキグループが世界に示していくブランドの証として、この羽獅子マークをご愛顧ください。