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 デジタルの潮流への挑戦。色表現の新時代をつくる。『カレイド』開発プロジェクト

いまさまざまなポスターや出版物に採用され、広演色インキとして新たな印刷品質を広めている東洋インキの『カレイド』。開発の裏にはプロジェクトメンバーの挑戦と熱意があったのです。

STEP1 印刷業界からの要請

現在、あらゆる出版・広告の現場では、デジタルデータによるデザイン制作が主流になっています。その際、パソコン上で見るデータを実際に印刷すると、意図した色のイメージが変わってしまうことがあります。これは、デジタルデータに比べて印刷物は色を表現できる領域が狭いことから起こる現象。「画面上と同じ美しい色を再現したい」というデザイナー、またその声を受け止めた印刷会社から解決策を求められ、私たちは新たな素材開発に着手することを決めました。次世代のインキ開発です。

STEP2 課題と検討

業界のスタンダードである4色印刷で、従来を凌駕する色域を表現すること。それが開発者・合田江里に求められた課題でした。どのような色同士の組み合わせなら色域を広げられるか。合田は、色の素となる顔料を丹念に調べ、インキの材料である樹脂との親和性、印刷工程に合う特性、安全性とあらゆる角度から検討していきます。試作を繰り返してはラボで実際に印刷、理想のインキを目指した開発を進めました。

STEP3 インキとシステム提案を融合させる

ガモット図やがて合田は、性能を極限まで高めたインキを生み出します。しかし研究所には、それだけではまだ不十分、と見る者がいました。河本孝典です。彼は以前より、印刷物を制作する段階で、デジタルカメラ/スキャナ/モニター/プリンターなど特性が異なる機器をマッチングさせて、色表現を統一的に管理する『カラーマネジメントシステム』を研究していました。従来よりも色域の広いインキの性能を最大限に引き出すためには、それに合わせたカラーマネジメントシステムが必要であると考えたのです。河本たちはモニター上の色情報を4色のインキに置き換える検証を一つひとつ重ね、システムを作り上げていきました。

STEP4 反応の鈍さを覆すプロモーションを

新しいインキは、カレイドスコープ(万華鏡)から想起した『カレイド』という製品名が付けられました。しかし、展示会へ出品されたプロトタイプの『カレイド』は、あまりに発色が際立っていたため、従来の仕上がりに慣れていた顧客から評価を得られませんでした。そこで河本らは発想を転換します。もともと画面の絵と印刷物のギャップに悩んでいたデザイナーや、印刷物の発注を行うクライアントに直接アプローチしよう、と。すぐに、営業やマーケティング部隊から協力を取り付け、『カレイド』をプロモーションするプロジェクトチームを発足しました。こうしたアプローチは、印刷会社を主なお客様とする東洋インキにとって初の取り組みでした。

STEP5 オフセット印刷の次世代スタンダードを目指して

Kareidoデザイナー向け専門誌の掲載、 “色”をテーマにしたセミナーの実施などのプロモーション活動によって、発売前から『カレイド』の知名度は飛躍的に向上していきました。そして、プロジェクトチーム発足後から半年目に発売開始。現在にいたるまで、デジタルワークフローの中で色域の広さを発揮する、「出版・広告業界が欲しかった性能」が高く評価されています。『カレイド』は、顔料・樹脂開発技術とソフトウェア技術、さらに企画・営業・マーケティングのスペシャリストたち、誰か一人が欠けても実現できなかっただろう、と合田と河本は振り返ります。

※本記事は実際の開発者・関係者への取材により作成していますが、個人情報保護の観点から文中の氏名は仮名となっております。

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