新たな「素材」への挑戦

トーヨーカラー株式会社

色材営業本部 営業2部第1グループ Y.O.(写真左)

技術本部 着色技術部 M.Y.(写真右)

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  • CHALLENGE チャレンジ | 新たな「素材」への挑戦

色材営業本部

営業2部第1グループ

トーヨーカラー株式会社

Y.O.

技術本部 着色技術部

トーヨーカラー株式会社

M.Y.

新素材のまだ見ぬ可能性を、コア技術で広げていく。

次世代の核となる事業を創造するために。

鋼鉄の数十倍の強度、抜群の導電性や耐熱性・熱伝導性などで、夢の材料とも呼ばれるカーボンナノチューブ(CNT)。トーヨーカラーでは、有機顔料合成技術や分散技術をコア技術としてビジネスを拡大してきた経緯から、そのノウハウを活かした次世代素材の一つとしてCNTを位置づけ、独自の開発に挑んでいます。目標とするのは、この素材を使った新たな製品群の展開、すなわち新しい使い方を提案し、次の核となる事業を創り出すこと。CNTのプラントを新たに設立し、本格的に市場化を検討する全社プロジェクトが立ち上がりました。「CNTは名前こそ知られているものの、新規素材ということもあり、これと言ったアプリケーションが見出されていません。過去にお客様へご紹介しても、具体的な用途が見えないという反応が大半でした」プロジェクトの事務局として開発と市場開拓をリードする色材営業本部のOは語ります。プロジェクトメンバーは、可能性がある機能について議論の上、技術部門と一つひとつ実験を重ね、見込みのある用途についてお客様への提案と検証を地道に重ねました。その結果、市場化への可能性が最も高い「導電性」に開発テーマを絞りました。金属を使わない安くて丈夫な高導電性プラスチックは近年、エレクトロニクスや自動車の分野でその需要が高まっています。お客様と共にアプリケーション開拓を進める中で、トーヨーカラーの技術を応用してこそ実現しうる製品の可能性が見えてきたのです。

川下への展開で、市場の拡大を目指す。

「CNTは従来、そのままではお客様である製造メーカーにとって使いづらい部分がありました」本プロジェクトの技術担当である技術本部のYは語ります。加工が非常に難しく、例えば薄いフィルム状にしようとすると、表面に小さな粒が出てきてしまう点などがネックとなっていました。「しかし、弊社には長年のインキ開発、製造を通して構築してきたコア技術として分散の技術があり、またそのための設備も整っています」プロジェクトチームはこの特徴を活かし、単純に素材としてCNTを販売するのではなく、フィルムやモジュールなど製造メーカーが使いやすい形状で提供する川下戦略を、技術や製造部門と一体となって意欲的に進めています。それは営業の視点から見ると、ターゲットとなるお客様が変わることを意味します。今までは部品メーカーへ納入していた素材が、製造メーカーと直接商談を行う部品へと変わるのです。「結局、部品を使うか、使わないのかを決めるのは製品メーカーさんです。最終決定者と直接お会いして、そのニーズを探れることは大きなメリットだと思います」と、営業担当Oはその意義を語ります。

チームの力で、ブレイクスルーを目指す。

今回のプロジェクトで特徴的なこととして、ターゲットやニーズの掘り起こしからマーケティング戦略を考え実行していったことがあります。時間をかけて製品の価値と差別化要因を具体的にし、製造部門、設備管理部門や化学物質管理部などと調整を重ねた結果、数年前からCNT専門のラボラインが整い、工場を交えての生産がスタートしました。これらのプロセスは困難も伴うものでしたが、同時に大きなやりがいもメンバーは感じたと言います。「一から戦略を策定し、製造レベルまでの具体的な実行計画に組み上げていく。組織横断型のプロジェクトならではのやりがいと学びがありました」そう語る営業担当Oは、プロジェクトを導いていくにあたって、メンバーとその目的や意義、役割を共有することの大切さを学んだと言います。また、技術担当Yにとってもプロジェクトは印象深いものでした。「技術者のミッションは、世の中にないもの、まだできていないことを生み出していくことと捉えていますが、その技術や材料が社会でどのような役割を発揮するかは、社内で実験しているだけでは見えてきません。だからこそ、早い段階から顧客や市場にアプローチして仮説を検証していくことが必要。そのためにはスピード感が重要となりますが、営業、そして工場と一体となって推進していかなくてはならない。今回のプロジェクトはまだ発展途上ではありますが、そういったことを再認識させてくれました」新素材のブレイクスルーでさらなる豊かな未来を切り開いていくことを目指して、CNTプロジェクトはこれからも続いていきます。